日本のスマホ市場では、アップル「iPhone」とサムスン「ギャラクシー」が圧倒的なシェアを占めるため、Fireflyはほとんど知らないかもしれない。特徴は従来のように商品そのものを獲らなくても、生活のシーンを撮影するだけで商品の認識につながることだ。
消費者がスマホで撮ったシーンには、誰かが着るフリースや家電製品などが写っているかもしれない。それらを認識し、アマゾンのサイトに誘導するのだ。音声も逃さない。もし、ショッピングモール内でスマホを使ってビデオを撮影して、テイラー・スウィフトの曲が流れてきたら、その曲を言い当て、アマゾンのサイトからダウンロードや購入を勧められる仕組みである。
日常生活をする→スマホを使う→写真を撮る→アマゾンを利用する、という図式である。アマゾンは日本のスマホメーカーと違い、自身が小売り企業である強みをフルに活かしているように思う。
アマゾンとSlyceの仁義なき消費戦争
ただ、アマゾンとSlyceではいくつかスタンスの違いがある。アマゾンは原則として自社サイトのみへの誘導が主眼だが、Slyceは、複数の小売業者と提携。類似商品の推薦もできる。
もう一つ、押さえておきたいのはアマゾンがファイル保存のクラウドサービスを展開している店だ。その中にある画像も分析すれば、最適な宣伝広告の提案が可能となるかもしれない。マイクロソフトがOfficeをクラウド化することによって、どんどんテキスト情報が同社にビッグデータとして備蓄されているように。ちなみにこれは、アマゾンが悪用するという意味では決してない。個人の情報はテクノロジーによって常に新たなビジネスのネタとして活用される宿痾を背負っている。
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