2014年は、2年連続で多くの日本の投資家が幅広くリターンを得られるマーケットだった。
「米国経済」+「2本目の第1の矢」が日本株を救った
まず秋口まで世界経済、金融市場を牽引したのは米国だ。FRB(米連邦準備制度理事会)がマーケットとの丁寧な対話を重ねながら「テーパリング」(量的緩和の縮小)を続ける中で、米経済は春先以降、年率3%を超える高成長が続いた。米国が世界経済の安定成長を支えたことで、日本を含め世界的に企業利益の拡大が続いた。
一方、日本経済は、安倍政権が民主党時代の前政権の負の遺産を引き継いで消費増税に踏み切ってしまったことから、経済学の教科書どおりに、個人消費中心に景気失速に見舞われた。ただ、「米国の1人勝ち」が為替市場における大幅なドル高円安をもたらし、総需要不足が続き脱デフレを目指す日本経済の強力な追い風になった。
6月にECB(欧州中央銀行)が追加利下げに踏み出したことで、金融政策のスタンスの違いが先進国通貨の方向性を決する構図が強まり、夏場以降ドル高が進んだ。さらには10月末の日銀による金融緩和で円安ドル高が加速した。アベノミクスの第2の矢の「射間違い」を、「2本目の第1の矢」がカバーしたことで、日本経済は持ちこたえている。
消費増税の副作用によって世界の株式市場の中で出遅れを余儀なくされた日本株は、日銀の「バズーカ2」により大幅高を演じ、年末までに米国株と遜色ないパフォーマンスを取り戻した。このため、日本株、外貨建て資産いずれもインデックス連動資産に投資することで、良好なリターンを得られる状況となった。
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