「もっと思い切った商品設計はできないのだろうか」
この1〜2年で発売された「長寿に備える保険」について、感じていることだ。
下表は日本生命保険の「長寿生存保険」と「年金保険」で、年金総額10年分が保証されている加入例を比較したものだ。
30歳から加入する年金保険より積立・運用期間が短い長寿生存保険の払戻率がわずかながら高い。死亡時や中途解約時の払戻金を年金保険より低くすることで、保険料を抑えているからだ。
太陽生命保険の「保険組曲Best 100歳時代年金」には、死亡保障もない。同社のサイトでは、17世紀に死亡者の持ち分を生存者に移すことで、より多くの生存給付が行える仕組みを考案したトンティの名前を紹介し、従来の個人年金保険とはコンセプトが異なる「トンチン型年金」であると説明されている。しかし、55歳からの加入例で年金受取額が保険料を上回るのは男性89歳、女性95歳だ。加入から数十年後に、保険料総額を数%上回る払戻金がある商品にどれほどの魅力があるのか。筆者は、中途解約時に元本割れするリスクなどを考慮し、長寿生存保険の払戻率は額面どおりではなく100%未満と見たい。
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