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保銀行窓販で「手数料ゼロ」の虚偽説明が横行 手数料開示は保険販売の現場を変えるか

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銀行窓口で販売される高リスク保険の販売手数料開示が2016年10月から始まり、すでに1年以上が過ぎた。高リスク保険とは、一括払い型で株価や為替などの影響を受けて資産額が変動する保険を指す。具体的には、変額保険や外貨建て保険など投資性の高い商品が対象となる。

保険の販売手数料は、投資信託の販売手数料とは異なり、顧客から銀行に支払われるわけではない。銀行は保険会社から直接受け取る仕組みを採用しているため、以前は銀行がどの程度の手数料を得られるのか顧客の目に触れることはいっさいなかった。

開示が義務づけられたのは、投資性の高い保険の販売手数料が、その他の保険と比べ2倍から3倍にも達するからだ。それほど高い手数料を負担することが明らかになれば、加入を思いとどまる顧客も多いとの判断だ。

保険は金利の影響を強く受ける商品である。マイナス金利の導入に加え、17年4月の標準利率引き下げの影響から、貯蓄性保険は保険料が相次いで値上げされたり、販売停止に追い込まれたりしている。標準利率は、保険会社が将来の保険金支払いに備え、積み立てることを義務づけられている責任準備金の割引率だ。たとえば標準利率が1%の場合、1000万円を10年後に支払うための責任準備金は905万円だが、17年4月からのように0.25%に引き下げられると、975万円を積み立てておかなければならなくなる。これが保険料値上げの理由だ。

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