スティールがサッポロから完全撤退、本社も移転し戦線を大幅縮小
「投資」は「失敗」に終わった。米系投資ファンドの日本法人、スティール・パートナーズ・ジャパンが、12月15日に、保有していたサッポロホールディングスの株を全て売却した。10月半ばに約5%売却、サッポロからの撤退が巷間、噂されていたが、噂は現実となった。
最後にサッポロ株を買い増した07年1月1日時点で、スティールのサッポロ株の平均取得単価は463円、取得総数は6915万株だから、取得総額は320億円(注・取得単価不明の265万株も463円として計算)。
それを今年10月8日~12月15日にかけて、主に市場外取引を用いて339円~374円で売却。市場内取引に場中平均価格を用いると、売却総額は243億円。差額の76億円、率にして23.90%の損失をスティールの運用するファンド、スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンド(SPJSF)は被ったと試算できる。
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サッポロは取材に対し、「変更報告書が提出されたことは確認しているが、特定の株主様による株式の売買については、コメントを控えたい。 当社としては、これまでも経営計画に基づき、基盤強化から成長フェーズに移行し、着実に結果を残している。 今後も引き続き経営計画を達成していくとともに、更なる企業価値の向上に鋭意取り組んでいきたい」と回答。スティールは「ノーコメント」だ。
スティールの投資成績の足を引っ張ってきたのがサッポロ株だった。