スティールがサッポロから完全撤退、本社も移転し戦線を大幅縮小

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 ユニヘアーの現経営陣が力を入れているのは、これまで手掛けてこなかった40歳~50歳台用ウィッグの新市場開拓などの増収策だ。コストカットによる目先の増益策ではない中長期戦略が、スティール以外の株主にも支持されている。

ユニヘアーの経営改革が始まったばかりであるほか、米スティール本体のジョシュア・シェクター氏がユニヘアーの社外取締役に就任しているために、スティールがユニヘアー株をすぐ手放すことはなさそうだ。

スティールが日本上陸してからこの10年末で丸8年になるが、発行済み株式数の1%以上となる大きな取引は今年わずか12回(9月末まではゼロ)で、しかも全て「売り」。09年の38回や08年の34回と比較にならない。

5%以上を大量保有しているのは、いまやユニヘアー、天龍製鋸のわずか2銘柄。うち天龍製鋸は12月14日に13.02%の自己株買いを実施。まだスティールからの届け出はないが、スティールがこれに応じて天龍製鋸からも撤退した可能性がある。もしそうならば大量保有しているのはもはやユニヘアー1銘柄となる。

ユニヘアーを評価する金主がいることから、スティールの早期日本撤退はなさそうだ。ただ、最盛期に役職員、スタッフが合わせて十数人いたスティールだが、いまではわずか4人。広すぎる東京・丸の内のオフィスから、11年2月には、本社を同・神谷町界隈の身の丈にあった事務所に移転する予定だ。

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