スティールがサッポロから完全撤退、本社も移転し戦線を大幅縮小

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 スティールがサッポロ株を買ったのは6年前の04年秋。07年には買収防衛策を廃止することを株主提案したが敗退した。今年初めには経営陣の総入れ替えを株主提案しリベンジを図ったが、委任状獲得競争で他の株主の賛成票を得られなかった。
 
 今年、都内で開いた株主向けの説明会では約200人収容の会場にわずか70人しか集まらなかった。創業の地、札幌の会場ではわずか数人だった。

スティールからすれば、大株主の生命保険など機関投資家は、ホンネではスティールに大賛成。しかし、取引関係などサッポロとのしがらみから、反対票を投じられない事情こそが敗因。サッポロにとっては、スティールの手法に他の株主がついていけないのが勝因だ。

過去2度の株主提案に限らず、両者の間では平行線の議論が続く。大阪工場の閉鎖ひとつをとっても、「われわれが提案した」と主張するスティールに対し、サッポロ側は「スティールからの提案だった証拠は何もない」と怒りを隠さない。

スティールへのサッポロの反応は過敏とも映るが、07年に和製投資ファンドのクレセント・パートナーズと提携。飲料部門の建て直しを図るなど、ファンドそのものを毛嫌いしているわけではないことを強調する。

一方、スティールの投資成績を下支えしているのが旧アデランス・ホールディングス(現ユニヘアー)。年初来のユニヘアー株のパフォーマンスは、同期間の日経平均のパフォーマンスを上回って推移してきた。ユニヘアー株の平均取得単価は749円。足元の株価は1100円前後だから、スティールにとってユニヘアーは命綱だ。

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ユニヘアーはスティールの株主提案を受け入れ、09年に経営陣を刷新。スティールが“推薦”した経営者が過半を占める。赤字が続いているが株価を見る限り、株式市場はユニヘアーの経営改革を評価している。

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