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カネも武器も、結婚も王朝が変えた欧州史 結婚さえ権力の武器に

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ハプスブルク家の歴代君主が離宮として利用したシェーンブルン宮殿(アフロ)

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欧州では、覇権を目指してさまざまな王朝が勃興と衰退を繰り返してきました。いわば、王朝の歴史が欧州の歴史なのです。

欧州の王朝は、外部から侵入した蛮族を退治した人が王権を立てました。その典型がアヴァール族を撃退したシャルルマーニュ、マジャール族を退治したオットー大帝、ヴァイキングを駆逐したカペー一族です。それは、5世紀末にフランク族がメロヴィング朝を立て、フランク王国を建国したことから始まります。

8世紀半ばに、メロヴィング朝の宮宰だったピピン一族がカロリング朝を開きます。そしてカロリング朝のシャルルマーニュは、800年にローマ教皇によってローマ皇帝として戴冠されます。その後カロリング朝は東フランク(ドイツ)と西フランク(フランス)に分かれます。ザクセン朝東フランク王国のオットー大帝は、シャルルマーニュのようにローマ皇帝に戴冠されました。

ザクセン朝を含むドイツの三つの王朝は、ローマ詣でを続ける過程で王権が衰退していきます。ホーエンシュタウフェン朝が1254年に絶えた後は有力君主が定まらず、20年間の「大空位時代」を迎えました。ドイツの諸侯たちは、イタリアに行って無駄遣いをする強大なドイツ王はもうこりごりだと考え、スイスの小領主だったハプスブルク家のルドルフ1世を王位に迎えました。

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