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欧米で再生されたイメージの中の十字軍 キリスト教とイスラム教

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ヨーロッパでは絵画に十字軍が繰り返し描かれた(Bridgeman Images/アフロ)

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フランスのヴェルサイユ宮殿には5部屋からなる絢爛(けんらん)たる「十字軍の間」というのがある。これを造ったのは、ヴェルサイユを王室の居城から博物館に変えた国王ルイ・フィリップ(在位1830〜48年)だった。

このヴェルサイユで2015年11月、世界が注目した演説が行われた。「フランスは戦争状態にある」という言葉で始まったオランド大統領の演説である。オランド大統領は、パリ同時多発テロの指令を出した過激派組織「イスラム国」に対して、フランスが今後、一丸となって文字どおり戦うことを明らかにした。演説が行われたのは宮殿内で特別に開かれた両院合同会議である。

議会で演説した仏大統領は1848年以来3人にすぎない。また、パリコミューン(1871年)の騒ぎを経てヴェルサイユ宮殿内に造られたこの両院会議場での演説は、今回が2人目だという。

「十字軍の国」を敵とする「イスラム国」への戦争宣言が「十字軍の間」を擁するヴェルサイユ宮殿で行われたのは、何か示唆的なことのように思える。

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