仏教はインドで誕生 大乗と上座の系譜
仏教の創始者ゴータマ・シッダッタ(ブッダ)はインドで紀元前5世紀ごろ生まれた。ブッダとは真理に目覚めた者を意味する。
ブッダは29歳のときに出家し苦行を重ねるが悟りを得ず、座禅を組み瞑想を行うようになり35歳ごろに悟りを得たとされる。真理に目覚めたものの、当初それを他者に伝えるべきか迷う。万人が真理を理解するのは難しいと考えたからだ。しかし、やがて布教を始め、80歳の入滅(死亡)まで説法を続けた。この世には「苦」が満ちており、修行を積めば煩悩を消すことができ、苦から抜け出せると説いた。
ブッダの死から100〜200年後の紀元前3世紀ごろ、弟子たちは戒律に厳格で長老を中心とする上座部と、現実に即した解釈をする大衆部に分裂した。これを根本分裂と呼ぶ。さらに紀元前1世紀ごろ、分裂した学派の中から信仰の実践を重視する大乗仏教が起こった。
大乗とは大きな乗り物を指し、「大衆であっても、ブッダとその教えに対する信仰心があれば救済される」との意味が込められている。大乗仏教の人々は、上座部仏教(上座仏教)を一部の宗教エリートしか救わないと蔑視し、小乗仏教と呼んだ。小乗の言葉には差別的な意味があるため現在では使われなくなっている。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら