共産主義体制の崩壊とネオリベラリズム(新自由主義)の隆盛の中で、色あせていた社会民主主義の思想が蘇りつつある。共産主義と社会民主主義は、初期資本主義が作り出した過酷な現実に対する批判として登場した。野放図な資本主義(レッセフェール資本主義)は労働者階級に過酷な労働を強い、耐えがたい社会的格差を生み出すと、双方ともに主張した。共産主義は市場経済と私有財産制を廃止して経済計画を国家に委ねることを主張し、社会民主主義は国家による市場規制や労働者保護、福祉政策で資本主義を改良することを求めた。
やがてロシア革命が成功し(1917年)、大恐慌(29年)で資本主義の限界が明らかになると、先進国で国家による市場規制、景気政策、社会政策が行われる混合経済体制が受け入れられるようになる。“見えざる手”による市場調整の有効性を主張する古典派経済学から、政府の積極的な役割を主張するケインズ経済学へと流れが変わった。戦後は市場経済と市場規制が組み合わされた混合経済が先進国の規範となった。
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