重箱にチキン?おせちは元旦を待たない若者たち
常見陽平(以下、常見) クリスマス、年末年始が迫ってきました。ハロウィンが終わったら、もうクリスマスモード。デパ地下ではおせちのコーナーも目立っています。
坂口孝則(以下、坂口) 先日、年越し関連で、百貨店を取材していて「おせち」について面白い話を聞いたんですよ。
常見 おせちは「年越し」というより、年明けてから「元旦」の話のような気もしますが・・・。
坂口 そこに変化があって、実は今の若者には「元旦を待たずにおせちを食べる」というトレンドがあるようです。
常見 なんと!フライングゲットならぬ、フライングイート。どれだけ、年始が待ち遠しいのでしょうか。みんなで集まってワイワイ。リア充ですねえ。
坂口 ボッチには大変、世知辛いですが、「年末に仲間と集まり、盛り上がりながらおせちを食べる」若者が増えているようです。さらにおせちの中身にも、「ワイワイ集まって食べる」スタイルが反映されていて、重箱を模した容器には入っているのですが、中身がオードブルのようなものがあるようです。
常見 重箱を開くと、栗きんとんや昆布ではなく、フライドチキンがあるわけですね。でも、お高いんでしょう?
坂口 価格に関しては、低価格路線と高級路線の「二極化」ですね。おせちの予算は平均すると約1万円です。ただ、お気づきのように、これは統計のマジックでして、売れているのは「2000円以下」の低価格品と「7万円以上」の高級品に二極化しています。
「2000円以下の低価格路線」においては、コンビニのいわゆる「1980円おせち」が強いです。数ベースでは、全おせちの中でも、セブン-イレブンのおせち売り上げがナンバーワンです。
一方で「高級なおせち」に関しては、2013年末に和食がユネスコから「無形文化財」に指定されたものの、和食関係の不祥事が続いたこともあって、今回のおせちシーズンは「料亭の逆襲の年だ!」と力が入れられています。これらの高級おせちは渋谷、新宿、銀座の百貨店を中心に売れています。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら