「内定倍率100倍超」という、しょっぱい現実 東レ213倍、カゴメ308倍、明治は2750倍

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数年前の就職氷河期は企業の採用意欲が低く、内定が取れないというニュース一色だった。しかし、最近は状況が一変して、売り手市場の中で企業が採用に苦労するニュースばかり。さらに、現3年生から就活スケジュールが3カ月後ろ倒しになったことで、「3月から始めればいい」とのんびりしている学生が多い。

リクルートワークス研究所の調査結果などを見ればわかるように、リーマンショックから数年間の就職氷河期に比べれば就職しやすいのは事実。しかし、誰でも簡単に希望通りに就職できるわけではない。

明治2750倍、カゴメ308倍、東レ213倍

就職四季報では本エントリー(正式応募)数と内定者数を基に内定倍率を算出している。プレエントリーではなく本エントリーということは、学生が本気で入社を希望し、苦労してエントリーシートを書き上げたということ。プレエントリーのように、とりあえず出しておくといったものではない。

学生には就職四季報の掲載されている内定倍率を必ず見ていただきたい。のんびりした学生は目が覚めることだろう。2015年新卒採用において、倍率が一番高いのは明治で2750倍。事務系の採用4人に対して約1万1000人が応募した。明治は別格としても、数十倍というにはザラにあり、100倍を超える企業も珍しくない。

就職四季報総合版には「就職人気企業ランキング300社」が掲載されており、その上位企業の倍率を見ると、丸紅82倍、カゴメ308倍、味の素267倍、森永乳業533倍、東レ213倍などとなっている。

現3年生にとって、これから始まる就活は生涯初の過酷で厳しい試験と言ってもいいのではないか。最近の大学生の約半数は附属高校からの推薦やAO入試、指定校推薦など通常の筆記試験を経ないで入学している。ここ一発の真剣勝負の経験が少ない。そして、その真剣勝負に負けたときのダメージに慣れていない。

就活とは落ちるのが当たり前の過酷な試験。すでに12月の中旬となり、のんびりしているヒマはない。業界・企業研究やSPI対策には今からでも取りかかることができる。大学や生協主催の就職セミナーに参加するのも簡単だ。今すぐ行動を開始しよう。

(撮影:風間仁一郎)

田宮 寛之 経済ジャーナリスト、東洋経済新報社記者・編集委員

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たみや ひろゆき / Hiroyuki Tamiya

明治大学講師(学部間共通総合講座)、拓殖大学客員教授(商学部・政経学部)。東京都出身。明治大学経営学部卒業後、日経ラジオ社、米国ウィスコンシン州ワパン高校教員を経て1993年東洋経済新報社に入社。企業情報部や金融証券部、名古屋支社で記者として活動した後、『週刊東洋経済』編集部デスクに。2007年、株式雑誌『オール投資』編集長就任。2009年就職・採用・人事情報を配信する「東洋経済HRオンライン」を立ち上げ編集長となる。取材してきた業界は自動車、生保、損保、証券、食品、住宅、百貨店、スーパー、コンビニエンスストア、外食、化学など。2014年「就職四季報プラスワン」編集長を兼務。2016年から現職

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