男塾コラボ炎上「吉野家」の筋がまるで通らない訳 220回超通った熱心なファンが怒ったのは当然だ

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まず、法的な観点と、さらに有名人や有名キャラクターの管理をする側から訴訟を受ける可能性を考えると、「どんな名前でも丼に記載する」行為は避けたいに違いない。また、お客様センターとしても法的な問題を重要視していたはずだ。

法律論を超えたファン心理

しかし、今回の問題では、「そもそも当初は記載する名前に制約がなかったはずなのに、いきなり制約をつけるのは、これまで足繁く通ったファンに失礼ではないか」という法律論を超えた、純粋なファン心理をつきつけられている。

さきほど留保したように、もしかしたら法律的な問題があるかもしれない。ただ、世間の人たちは「何が何でも、好き勝手な名前を丼に記載しろ」といっているわけではない。「そりゃ吉野家の理屈もわかるよ。でも、もうちょっとお客やファンの気持ちも理解したほうがいいんじゃない」と、会社の姿勢に騒いでいる。少なくとも、私が見る限り、吉野家が提起した法律的な問題を、まったく理解できない、という人は少ない。

それに対して、吉野家の対応は法律的な観点や、著作権、商標権、知的財産権といった側面のみを考慮していた。このように切り返す対応は「法律上で問題となる以上、それに反対するお客にはどんな返信をしてもいいと思っている企業」と考えられてもしかたがない。

私は当事者ではないものの、あえて深読みすれば、吉野家は問い合わせしてくれたお客の先に社会がいるとは思わず、そのお客だけをいかにいなすかと考えていた可能性があると感じる。

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