今の日本に民主主義がムリである理由

「一票の格差」が持つ本当の意味を考えよう

現在の日本の状態は、簡単に言えば、「一票の格差」が著しく存在する「人口比例」ではない選挙が行われている。

2013年参院選では、全有権者(1億0478万人)の中の3631万人(35%)が、対象選挙の選挙区選出議員(73人)の過半数(37人)を選出し、6846万人(65%)が36人(=73人ー37人)(49%)を選出した(総務省資料より。2013/7/3現在)。たった3分の1強という小数の有権者が、選挙対象の選挙区選出議員の過半数を選び出したのである。 つまり、2013年参院選挙区選挙は、非「人口比例選挙」である。

国の大事な決め事が、正常ではない多数決、下手をしたら少数決で決められているのが現実である。

憲法どおりに政治が行われていない民主主義不在の日本

国民を正しく代表していないのだから、そもそもが「偽物」なのである。これは揶揄する言葉ではなく、憲法通り=本物でないという意味での「偽物」である。一人一票ではない投票による代表によって、意見は反映されるのだろうか。憲法の解釈には様々あるのはもちろん承知の上ではあるが、それでもこのロジックで考えれば、「日本は民主主義国家ではない」ということになってしまう。

少しデータも参照にしておこう。海外では、僅かな差で選挙結果が決まる。2012年の仏大統領選挙はオランド氏が51.6%(18,000,668票)、サルコジ氏は48.8%(16,860,685票)の僅か3.2%の得票率の差で決着がついた。2012年11月の米国大統領選挙は、オバマ氏が50.4%、ロムニー氏は48.1%の僅か2.3%の得票率の差で、2012年12月の韓国大統領選挙は朴槿恵氏が51.6%(約15,771,000人)、文在寅氏が48.0%(約14,670,000人)と僅か3.6%の差で決着がついた。

海外では一票の格差問題に対して、厳格な取り組みが行われている。一票の格差問題は民主主義を運営する憲法という「原理」、そして投票率という選挙結果を左右する「数値」においても深刻な影響を与えるものだということが、読者諸君には分かっただろうか。

もちろん、一票の格差是正に関しては「人口比例にすると、地方の声が届きにくくなるのではないか?」という声がある。人口比例にすると、地方の議席が減るのではないかという懸念だ。しかし、これもおかしい。日本国憲法第43条にはこうある。

第43条

両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。

そう、議員というのは、全国民の代表である。地方の代表という色が過度に強くなり、地域への利益誘導を行っているのが今の政治だ。地方の議員が減ったからと言って、地方がないがしろになるわけではあるまい。

人口比例の選挙こそが、真の民主主義への第一歩なのだ。

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