ですからよき企業市民としての社会貢献活動や日頃から議員とのコミュニケーションに努めることがものすごく大事です。議員の相関関係や選挙区の利害関係なども頭に入っていないと、とんでもないスイッチを押してしまって逆効果になりかねない。
桑島:私が以前、角家さんのお話を聞いて非常に印象に残ったのは、日本企業ではワシントンでのロビイングの重要性がなかなか理解されないし、どうすればロビイングのできる人材を育成できるかもわからないということです。
人事ローテーションで2~3年ワシントンに行って、必要なときだけロビイストを使えばうまくいくようなものじゃないんだと。やはり議員一人ひとりと関係を構築するには、長くその場にとどまらなくてはいけない。
ワシントンだけ見ていても意味がない
角家:そうでなければ弁護士、コンサルタント、ロビイスト、PRエージェントにうまく使われて、フィーをむしられるだけですよ。私はワシントン駐在18年を含め2度の駐在で合計26年米国にいて、親の死に目にも会えませんでしたが、それくらい長くいなければ本物の関係にはならない。
桑島: 今、日米関係は貿易摩擦から直接投資の時代へと移ってきましたが、せっかくこれまで先輩たちが築いてくれたものを、私たちがちゃんと受け継いでいるのかという懸念があります。今の日本の企業に対して、アドバイスをするとすれば?
角家:みんな政治問題はワシントンしか関係ないと思っているけれど、草の根のレベルでのネットワークや、地域に貢献する企業市民としての活動実績が重要ですね。
銀行や商社では小さい支店しかないかもしれない。でもそれなりに地元の教育界に貢献するとか、ボランティア活動をするとか、活動の裾野を広げておいたうえで、やっとワシントンの話だと思うんですよね。
桑島:まだまだお聞きしたいことはたくさんありますが、今回はここまでにしたいと思います。ありがとうございました。
(構成:長山 清子)
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