マヒンドラが過去60年間に製造してきた車両は、インドの農村部および中規模都市で人や物の主な輸送手段として広く使われている。
IT企業の深刻な事件をも救った
企業統治と他社への支援でも知られている。2008年にサティアム(Satyam)というIT企業が大規模な会計上のスキャンダルに直面し、サティアムの従業員、投資家、顧客が深刻な事態に陥った事件があった。
このときマヒンドラは、買収することで支援し、事業を復活させてすべての利害関係者を救った。サティアムを復活させるために来た新経営陣は、慎重にダメージを抑える対策を講じることで、現在も代表的なIT企業として存続している。
マヒンドラは、格付け機関CRISILによる格付けで、ガバナンスの実践について「統治および価値創造格付け(GVC)のレベル1」の指定を受けている。これは、そのカテゴリーで最も高い格付けだ。格付けでは、「健全な企業統治の実践を行いつつ、すべての利害関係者に対する富の創造という点に関する企業の能力が最も高い」と記されている。
世界的な企業となっても根幹は変わらない
同グループでは現在、アナンド・マヒンドラ氏(J.C.マヒンドラ氏の孫)が、会長兼社長を務めている。アナンド・マヒンドラ氏は、ハーバード・ビジネススクールを卒業し、インドにおけるハーバード・ビジネススクール協会の共同設立者でもある。2013年度にはフォーブス・インディア誌の「今年の企業家(Entrepreneur of the Year)」を受賞しており、世界的な知名度も高い。
2014年2月、「インドでイノベーションを起こす」というアナンド氏の意図により、値打ちある課題でイノベーションを起こすべく、若いインド人の才能を採用し、解決困難といわれてきた2大問題、「交通渋滞」と「電力不足」に対する取り組みも始めた。
新分野に乗り出すようにもみえるが、根幹にある「インドの近代化を推進する」というグループのミッションは70年前から変わっていない。
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