「インド近代化」を牽引するマヒンドラの秘密

交通渋滞と電力不足の解決にも着手

創業から約70年が経った現在、マヒンドラは世界中で11万7000人が働く、売り上げ160億ドル企業へと成長した。現在、その事業分野は、20近くの主要産業に広がっている。

その主なものをあげると、航空宇宙産業、アグリビジネス、自動車、部品、コンサルティングサービス、防衛、エネルギー、農機具、金融・保険、産業機器、情報技術、レジャー・ホスピタリティ、物流、不動産、小売業、二輪車だ。

インド経済を支える農産業に大きく貢献

GDPに占める割合は減っているものの、農業は依然としてインドの重要部門であり、経済成長を推進する上で今後も重要な役割を果たしている。インドの人口のおよそ60%が農村部に住み、農村部世帯の大多数は、農業や農業関連産業に依存した暮らしをしている。農業は、食料をつくるだけではない。産業用原材料の供給者となることで、下流部門の産業連関を支えている。

マヒンドラは、農業輸送を促進し、農業従事者の生産性を高めるため、特にインドの農業従事者向けに設計されたトラクターを販売している。現在、マヒンドラのトラクターはインドで40%のマーケットシェアを占めている。さらに、農業従事者向けの取扱品の拡大に乗り出し、アグリビジネスの分野でも存在感を示している。

その活動は、種子の供給から流通のための作物管理まで、すべての段階で農業従事者を支援するものだ。トラクターを現金で購入できない人には融資を行っている。そのためマヒンドラの金融事業は、インド農村部における最大のノンバンクとなった。すべての段階で農業従事者を支援するという独自の構想により、インドの農業従事者がもっとも信頼するブランドというイメージを手に入れている。

こうして、マヒンドラは、現在の顧客が必要としていることやインドの農業において必要となるものを把握し、そのニーズを満たすことで成長を維持している。

トラクター市場は年30%成長!

インドのトラクター市場は、過去3年の間に年平均30%の成長を見せ、マヒンドラは1年当たり20万台以上を販売している。インドの農業従事者の需要を活かし世界へも進出、すでに40か国以上でトラクターを販売している。ジョン・ディアー社を売上高で超えており、世界最大のトラクターメーカーになった。

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