賛成派は、「最近の音楽番組は口パクだらけだから、コラボレーションのところで予定調和が崩れて楽しい」という意見です。この人、持ち歌以外はこんなに下手だったのか、とか、ベテランの技量はさすがだなとか、そういう発見ができるから、画面にくぎ付けになると。
一方、反対派は、「無理にコラボレーションする必要があるのか」という意見です。コラボレーションは、場合によっては、アーティスト側も練習不足が否めず、キーも合っていなかったりするので、何とも落ち着かない結果となります。その下手さばかりが気になって、歌に集中できないと。それに、歌番組を年末ぐらいしか見なくなってしまった視聴者には、「せっかくだからピンで聞きたい」という気持ちもあります。
確かに筆者も「2014 FNS歌謡祭」を見ながら、今年のヒット曲である秦基博の「ひまわりの約束」、玉置浩二の名曲「メロディー」、イルカの「なごり雪」などは、わざわざコラボレーションにする必要があったのかなと思いました。
紅白はどうなる?
賛否両論ありながらも、「2014 FNS歌謡祭」が、コラボレーションを多用するというのは、音楽的な結果はさておき、こちらのほうが視聴率を取れると思っての戦略なのでしょう。
さて、NHKの「紅白歌合戦」が近づいてきましたが、紅白でも「コラボレーション」がたくさん見られるはずです。さすがに紅白は一緒に歌わせることはしませんが、今年も、演歌歌手の後ろで、漏れなくAKB48が踊り、ジャニーズ系のアーティストが手拍子をすると思います。
紅白でも、「2014 FNS歌謡祭」と同じような戦略が、要所要所に見られるはずです。曲順はこれから発表されますが、例年どおり、演歌とアイドルは固まらないように、うまく構成してあることでしょう。そして当日、異なる世代のアーティストが同じ曲に登場したら、「あっ、これはそれぞれのロイヤルカスタマーを狙った、視聴率アップ作戦だな」と、ひそかに戦略的思考を発揮してみてください。
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