新生「森下仁丹」を象徴する、3つのヒット商品
「仁丹」という商品をご存じでしょうか。
40代以上の読者は懐かしい記憶を持つ人も多いはず。1905年に懐中薬として発売された仁丹は、2年目に国内家庭薬の売り上げ第1位に。1921年には日本からの売薬輸出の60%を占めるほどの人気となります。さらに驚くべきことは、発売から長い歴史を持つ「仁丹」の販売ピークは、1982年の39億円(全社売上高の37%)。実に77年間もかけて伸び続けてきた怪物商品なのです。
ところが現在、「仁丹」と言ってもピンとこない方がほとんどです。それもそのはず、1982年のピークから一転、2002年には3億円まで仁丹の売り上げは激減。タブレット菓子などの他社商品の氾濫で、坂を駆け下りるように売り上げが縮小、2003年には30億円の赤字を計上しました。
しかし、2003年以降は社内改革を断行し、仁丹の減少分を新たな商品で代替することに成功しています。ここで新しい森下仁丹を象徴する3つの商品を紹介しておきます。
○「ビフィーナ」
乳酸菌を生きたまま腸に届ける、仁丹製造で培ったシームレスカプセルの技術が活用されたヒット商品。発売は1993年、2003年時点で売上高12.5億円、現在は約30億円。累計販売数950万個。
○「事業用カプセル受託(BtoB)」
フレーバーや医薬品など、同社のカプセル化技術の受託生産。過去10年間伸び続けており、現在は年間約30億円の売り上げに到達。
○「デンタルクリーム」などのセルフメディケア製品
特に注目したいのが口内炎の痛みを和らげる「デンタルクリーム」。痛みというキーワードから企画し、他社ライセンスを購入して発売。年間30万個以上、累計250万個のヒット商品となる。
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