厳しい時代に伸び続けている企業は何が違うのか? 苦境から奇跡的な復活を遂げた企業は何をしたのか? 成功しているビジネスパーソンは何を実践しているのか? その秘密は「離れる戦略」にあります。過去の常識から離れ、商習慣から離れ、古い組織構造から巧みに離れることで、勝者の座に就くのです。この連載では、勝ち続ける者だけが知っている「離れる戦略」を、古今東西、最新の戦略理論もからめて易しく読み解いていきます。
<追記(11月15日)>
当初、霧島酒造について「1996年前後に倒産直前だった」と記しましたが、この表現は実際とは異なっており、当時も売り上げ成長を続けていました。表記を訂正し、お詫びいたします。
苦境から大ヒット製品を生み出した2つの企業
トンネルの先に復活の光が見え隠れする日本経済。2013年からのアベノミクスの恩恵などで売り上げを伸ばす企業がある一方、変わらず閉塞感の中で苦しむ企業もいまだ少なくありません。特に歴史が長い業界では、なかなか企業も消費者も変わらないのが現実ではないでしょうか。
ところが、いわゆる伝統産業と呼ばれる業界の中でも、さらに歴史ある業界である日本酒、焼酎の世界で過去十数年間、躍進に次ぐ躍進をしている2社があります。
純米大吟醸の「獺祭」で有名な旭酒造と、クセのない上品な香りを実現した芋焼酎「黒霧島」の霧島酒造です。現在ではおいしさで有名かつ人気の製品として、不動の地位を誇る2社の製品ですが、両社ともに現在の社長に交替した頃は、新たな打開策が不可欠な状態でした。
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