一代で売り上げ高6兆円の企業を創った孫正義氏
携帯電話・インターネット通信企業のソフトバンクは今年、中国最大のネット通販会社アリババのニューヨーク証券取引所上場でも話題となりました。ソフトバンクは2000年、創業期のアリババに出資しており、3割を超える筆頭株主です。アリババ上場による保有株時価総額は約10兆7000億円(11月24日時点のニューヨーク証券取引所でのアリババの株価:114ドル、為替:1ドル=118円で算出)です。
携帯電話や検索サイトYahoo!で私たちの生活に浸透している同社は、孫正義氏の創業から33年、極めて短期間で巨大企業への飛躍に成功している希有な存在です。そして着目すべきもうひとつの特徴は、コア事業が何度も変化していることです。
成長の過程で多数のM&Aを行い、米国第3位の携帯電話会社スプリント・ネクステルなども傘下に収めており、現在はテレビCMにも登場している対話型パーソナルロボットの事業にも注力を始めています。
このように驚くべき成長を成し遂げている同社は、時価総額で現在9兆円を超え、2014年の11月下旬時点で、日本国内ではトヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループに次いで3位です。売り上げ高は2013年度、6兆円を超えます。同社はなぜ、これほど成功できたのでしょうか。
離れる戦略とぬるま湯の恋愛の関係とは?
前回の記事で、企業と消費者の関係を「あなたに過去の姿でいてほしいと願う恋人」に例えました。新たな恋の発見には古い恋を手離すことが必要ですが、通常、これまでの恋人と別れることイコール、新しい恋の始まりとはなりません。失恋すれば空白期間が必ず生まれ、寂しくつらい思いをしなければならないのです。
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