2014年IPO銘柄の勝敗は? 人気企業登場の一方、期待外れの銘柄も続出

拡大
縮小

一方、期待外れの筆頭格は、ジャパンディスプレイ(JDI)だろう。上場1カ月後、出荷遅れなどを背景に14年3月期の決算見通しを下方修正、株主の顰蹙(ひんしゅく)を買った。さらに10月に15年3月期の業績予想の下方修正を発表。米アップルや中国のスマホメーカーへの出荷の遅れなどから一転営業減益、最終赤字になるとの見通しを示した。

これから業績浮沈のカギを握るのが、強みを持つ高精細パネルの中国での需要動向だ。大顛周一社長は4~9月期決算会見で「(下期以降は)中国やアジアで(高精細の)フルHDのパネルが伸びている」と強調していた。

不正発覚で社長辞任のお粗末

騰落率最下位だったのは、結婚式場口コミサイトのみんなのウェディングだ。

3月には、公募価格2800円に対し初値3560円、時価総額270億円という、華々しいスタートを切った。が、公認会計士の指摘で、14年9月の売り上げに実態のないウエディングの施行が含まれていたことが発覚。社内調査の結果、設立に携わった、飯尾慶介社長が個人資金から1200万円を拠出していたことが判明、社長辞任というお粗末な結果となった。

同社が公開時に掲げた14年9月期の業績計画は、売上高16.3億円、営業利益5億円。13年10月から、口コミの分析機能向上と併せて実施した掲載料値上げで、大幅増益を達成する計画だった。

値上げはほぼ計画どおり進んだが、値上げを嫌う結婚式場からの解約も拡大。売り上げ目標達成のため、9月に結婚式をテーマとしたイベントを開いたが、出展企業が少なく逆に賃借料などが上乗せに。9月期の営業利益は計画比1.7億円未達に終わった。

12月末には新経営陣が発足する。ただし、マイナビウエディングなど競合サイトも多く、楽観視はできない。

社長による不正行為は極端だが、同社はある意味で、昨今のIPO市場の過熱感を映し出している。新興株市場に詳しい株式コメンテーターの岡村友哉氏は、「事前のバリュエーションが高すぎる中、会社側が高い業績目標を掲げる傾向がある。達成できなければ失望感につながるために、今回のようなケースが出てしまう」と分析する。

次ページ2015年はどうなる
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT