2014年IPO銘柄の勝敗は? 人気企業登場の一方、期待外れの銘柄も続出

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HALは国内で福祉施設向けレンタルを行うほか、13年には欧州で医療機器と認められた。一方、米国では14年11月に食品医薬品局(FDA)へ販売承認を申請しており、早ければ15年春にも販売が始まる。11月26日には、海外公募などで新たに410億円を調達し、海外事業などに投資する計画を発表。将来的に生産・販売体制を整えられるかが課題となりそうだ。

大型企業の再上場も相次ぐ

話題になった大型銘柄はその後どうだったか。リクルートホールディングスは、現在も公募価格から2割ほど高い水準で推移している。「20年に人材分野で世界ナンバーワン」(峰岸真澄社長)を目指しており、今後3〜7年で最大7000億円をM&Aにつぎ込む方針を掲げている。

成長戦略は明快だが、懸念材料もある。同社は経営指標にEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)を採用し、年率5%以上の成長を目指している。上場後に発表した14年4~9月期決算では、EBITDAが前年同期比1.1%増えた一方、営業利益は同3.2%減少。今後、M&Aなどでのれん代が膨らむとギャップが広がる可能性があり、市場とのより深い対話が求められよう。

8年ぶりに再上場を果たしたファミレス最大手のすかいらーくの業績は底堅い。10月までのグループ全体の既存店売上高は客単価上昇を受け前年比1.4%増で推移。ただ客数は前年割れが続いている。原料調達の見直しなどを進め、食材価格値上がりに耐えている状態だ。今後は「リモデルや業態転換を積極的に進めていく」(谷真社長)ことで客数底上げを図る。

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