ニュースでは伝わらない「ウクライナ人の叫び」 記者軍団が現地の人のリアルを世界に発信

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「私たちのチームの中には、つねに砲撃を受けているキエフや、ロケット弾の脅威に日々さらされている地域で活動している人もいます」(ヴィシニツカさん)

いつ何時、ロケット弾や銃撃の的にされるかわからない状況の中、自分や家族の安全確保に気を配ったり、占領地から家族を避難させようとするなど、さまざまな困難を抱えながらもこのプロジェクトに参加しているのだ。

「ほとんどの人は自分たちに“明日”が来るかどうかもわからない状態です。それでも皆、ウクライナで何が起こっているのか、人々がどのように戦争を生き抜いているのか、その真実を世界に伝えようと頑張っているのです」

それぞれが持つ信念と使命感

ロシア軍の執拗な攻撃にさらされ、文字通り「明日は来ないかもしれない」という状況にありながら情報を発信し続ける。そのモチベーションはどこにあるのだろう?ヴィシニツカさんがチームの一部にヒアリングした回答を紹介しよう。

「ウクライナで実際に何が起きているのかを知ってもらいたいのです。海外の人にもウクライナの悲劇は他人事ではないと感じてもらうことが重要で、それを伝えることが自分の役目だと感じます」(オレクサンドラ・ランコ/レポーター)

ハリコフでルームシェアをしていた2人は砲弾が降り注ぐ街で1週間耐えた後、西部の都市・リヴィウに避難した(写真:Kateryna Moskalyuk)

「情報を発信することで私たちに共感してくれる外国人が増え、ウクライナの人々に何が起こっているのか理解が深まることを期待します。また、ウクライナ人が自分の気持ちを整理するのにも役立つと思います」(ポリーナ・リミナ/ソーシャルメディア編集者)

「これらのストーリーは未来の歴史研究者にとって貴重な資料となるでしょう」(ユリア・クリッシュ/翻訳助手)

「リアルな情報を世界に発信することで、ロシアの残虐行為を訴求する一助になればと思っています。そうすれば、ロシアに対する政治的な圧力が高まり、ウクライナへの支援も増えるでしょう」(ユリア・マクリウク/ウェブサイト開設支援)

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