ニュースでは伝わらない「ウクライナ人の叫び」 記者軍団が現地の人のリアルを世界に発信

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「私たちが日々発信しているのは、かつては普通の日々を送っていた人たちのストーリー。仕事を持ち、働き、友達と語り合ったり、時には旅行を楽しんでいました。私たちは自分の街をよりよくしようと努め、自分たちの意見を表明することを恐れてはいませんでした。

今、旅行は避難に、親しい人との語らいは身内の安否を気遣うことに取って代わってしまいましたが、誰もが1つのことを望んでいます。それはウクライナの自由を守り、平和を回復し、安全を確保することです。しかし、平和は空から降ってくるものではないことも誰もが知っています。ウクライナ人はどの国旗の下で生きるかを気にしていて、自由のために戦う準備ができています」

この戦いはウクライナだけの問題ではない

ウクライナの人たちは、自分の家がいつ爆撃されてもおかしくないとおびえつつも、ロシアによる民間人への銃撃、誘拐、強盗、強姦、都市を占拠しようとすることに対し、命がけで抵抗している。

「軍隊経験のないウクライナ人が軍隊に入隊し、国を守り、緊急救命措置を行い、瓦礫の中から子どもたちを救い出しています。ロシア軍がほかの村を爆撃しないように、彼らは寒さの中、塹壕の中で眠るのです。

まだ爆撃が行われていない都市では、ウクライナ人は大量の餃子、キャベツの詰め物、サラダを用意して、砲撃から身を隠すシェルターへ持っていきます。毎日、休みなく防弾チョッキや迷彩ネットの縫製をしています。みんな何かをやっています。みんな国のために勇気をもって戦っているのです」

そう語るヴィシニツカさんは、この戦いはウクライナだけの問題ではないとも言う。「今、『ウクライナ人とはどういう人か』と問われれば私は『全世界の自由と人道のために戦う人たち』と答えるでしょう」。

ミハシヤ ジャーナリスト、PRプランナー

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Michasia

大学卒業後、出版社勤務を経て独立。新聞、雑誌などの記事広告をメインに執筆。キャリアは約30年。得意分野は金融・ビジネスなど。2017年より拠点をポーランドのワルシャワに移し、ジャーナリスト、及びPRプランナーとして活動。現地のスタートアップ事情にも詳しい。

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