外国人投資家は「リベンジ」を狙っている なぜ日経平均は、急騰後下がりにくいのか

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しかし、外国人投資家のそれぞれの事情は、そんな勇ましいものではない。「ドテン買い」直前の2兆6771億円の売り方は、ファンド決算(戦場ど真ん中)を前にして、大変な修羅場に遭遇したはずだ。しかし、彼らもプロだ。修羅場の中から巻き返しを狙っている。

あまり急激な円安が進んでいるため、産業界も警告を鳴らし、市場の一部でも「この円安は、悪い円安ではないのか」との不安感も出ている。世界で図抜けた借金大国日本が許されているのは、先進国で唯一増税が出来る経済力を持っているためではなかったか。

もし、増税ができないないなら、カントリーリスクの高いアジアの一借金国に過ぎないではないか。もし悪い円安、ということになれば、円安は株高要因ではなくなる。

黒田東彦・日銀総裁は、それを危惧して、バズーカ砲を撃ったはずだ。それを意識してか、政権側は、今回の解散にあたって、「消費税増税1年半の延期」と同時に、景気条項を消した。つまり、2017年4月にはどんな景気実態であっても消費税増税は実施するということを免罪符に、黒田総裁の協力をつなぎ止めた感じだ。だが、今までの一枚岩は、微妙な関係になっている。

売り方はここを狙っている。

ただ、一方で、最近では上場企業で、2017年前後を最終年とする中期経営計画を出すところが増えている。それまで先行き不透明で中期計画など出せなかったことに比べれば、先行きの期待感は増していると言える。

その辺が、政権側が頼りにしているところかも知れない。とにかく外国人投資家の出方には、大注目。投資をする際は、「和戦両様の構え」で事にあたっていただきたい。

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