中国スマホが救世主、沸騰する電子部品業界 日本の電子部品大手が軒並み好業績に
「スマートフォンが大きく業績を牽引した。スマホ業界が変わりつつある中、過去最高の売上高を達成した」。10月末、電子部品大手、村田製作所の藤田能孝副社長は、2014年度中間期(4~9月)決算説明会でこう誇らしげに語った。
中間期の売上高は前年同期比15%増の4765億円で、営業益は同32%増の891億円と、期初計画を180億円上回った。これを踏まえて通期の業績予想も上方修正。今期は14年ぶりに、最高純益を達成する見通しだ。
元気なのは村田だけではない。京セラやTDKも中間期売上高が過去最高を記録した。通期ではアルプス電気や日東電工などの電子部品メーカーが最高純益を更新すると見込まれている。
好業績を牽引するのは旺盛なスマホ向け需要だ。米アップルの「アイフォーン6」の販売が世界的に好調だったこともあるが、ここへ来て急激に存在感を増しているのが中国のスマホメーカーである。
小米の躍進が追い風に
中でも北京小米科技(シャオミー)の躍進は大きい。米IDCによると、同社のスマホ出荷台数シェアは7~9月期5.3%と、世界3位に浮上。小米は今年、前年比3.2倍の6000万台という、販売計画を掲げている。
これに日本の部品メーカーも沸いた。京セラでは今期、中国スマホ向け売り上げが前期比3倍になる見通し。村田も中国メーカーのLTE対応スマホの出荷台数予想を期初から2倍に引き上げた。
中国勢の躍進は、売り上げ拡大以上の意味がある。スマホ2強のうち、韓国サムスン電子は内製化比率が高い。大口取引先が実質アップルしかない部品メーカーは多く、これまでアイフォーンの需要動向に振り回される傾向が少なからずあった。そこへ中国メーカーが顧客に加わったことで、より安定した需要が見込めるようになった。
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