30年目のJリーグ「IT企業が続々参入」の深い意味 先駆者「鹿島」小泉社長らが語るJリーグの行く末
ホームタウンが小規模というのは、鹿島だけが直面する問題ではない。人口減が進む日本にしてみれば、大都市圏もいずれは下降線をたどる。そこで視野を広げなければいけないのが海外、特に東南アジアだ。
セレッソ大阪や湘南ベルマーレなどもスポンサー企業とタッグを組んで、タイやベトナムなどで基盤強化を図っているが、IT企業が経営権を持つクラブはテクノロジーを駆使した展開が容易にできる。3月からはJクラブの上場も解禁され、海外資本流入の可能性もより開けてきただけに、このあたりは注視していくべき点と言っていい。
業界全体のDX化が今後のカギ
鹿島の小泉社長も「これまでクラブの資金調達方法は親会社の支援か銀行借り入れの2つしかなかったですが、IPO(新規上場)が可能になったので資本市場から調達できるのは新たな選択肢になる。IPOという夢が生まれたのは特筆すべきことだと思います。今はクラウドファンディングやギフティング(投げ銭)、ファンが特定の権利を得られるトークンなど収益方法も多様化しているので、業界全体がより一層、DX(デジタルトランスフォーメーション)化していくことが大事。地方ほどそうしていくことで合理化や効率化が進むと見ています」と先々への期待を口にした。
かつては旧財閥系やメディア企業がJクラブオーナーのメインだったが、時代の流れとともにIT企業の参入はもっと増えていくだろう。メルカリとミクシィのように関係性の深い企業同士の連携や協業も増えていきそうだ。そうなっていけば、Jリーグも新たな収入源を得られる可能性もある。
1993年のリーグ発足から30年目を迎えた今、彼らが吹かせる新風がJ、そしてサッカー業界全体を大きく変えていきそうだ。
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