30年目のJリーグ「IT企業が続々参入」の深い意味 先駆者「鹿島」小泉社長らが語るJリーグの行く末

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2020年の神戸の経営状況を見ても、営業収益(売上高)47億円に対し、人件費はなんと64億円。楽天から52億5000万円の特別利益を計上して黒字化している。この投資の仕方からも「ブランド価値重視」というのがうかがえる。

メルカリやミクシィはそうではない。とりわけ、鹿島は「常勝軍団」としての地位を死守しつつ、営業規模拡大の具現化を重要視している。

彼らのホームタウンである茨城県の鹿行地域は人口約27万とマーケットが小さく、少子高齢化が進んでいる。首都圏や関西圏に本拠地を置くクラブとは異なる難しさに直面しているのは確かだ。カシマスタジアムの塩害など老朽化によるスタジアム新設も早急に取り組まなければならず、輝かしい未来が開けているとは言い切れない部分もある。

スタジアムを軸にパートナー企業の課題解決

それでも、もともと熱心な鹿島サポーターだった小泉社長は大目標達成を最重要課題に掲げている。「5~10年後には年間売上100億円達成」という使命感を持って、貪欲に突き進んでいく覚悟だという。

「タイトルを獲り続けるクラブであるために、われわれは選手育成に注力しています。レジェンドである元日本代表の柳沢敦をユース監督、小笠原満男をアカデミーのテクニカルアドバイザーに据え、トップで活躍できる人材を続々と輩出できるように体制を強化しています。われわれがもう1つ重視するのは、町のサイズが小さい分、首都圏からの観客やパートナー企業が多いという点。彼らの課題解決を一緒にやっていけるような関係作りをすることが大切です。

NTTドコモの5Gを使ったスタジアムの新たな観戦体験の提供、NECの顔認証の実証実験、カネカのグリーンプラネットの利用など、スタジアムを軸に協業できる部分は少なくない。そこに着目していくことも、今後の成長に不可欠。スタジアムの試合日以外の有効活用も収益化のカギになります。そうやってアントラーズの存在を中心にホームタウンを魅力ある場所にできれば、鹿行は選ばれる地域になれる。テレワーク化で2拠点生活者も増えていますから、可能性は少なくないと思います」と小泉社長は力を込める。

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