東大生も感動!「伝説の"論理思考"講座」を大公開 「論理思考には"想像力"が不可欠」の深い意味

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ちなみに、私自身も、最初から論理思考をうまく自力で実践できたわけではありません、そもそも、現在でも、「後からミス・見落としに気がつく」ことも少なくないのが現実であり、まだ思考力向上の必要があると認識しています。

それでは、なぜ、うまく論理思考を実践できないのでしょうか。以下、「ケース問題」という”具体的な問い”をもとに、詳細を解説していきます。

【補足:ケース問題とは?】ケース問題とは、「30分程度の短い時間」「情報収集なし」という状況で、「ある程度妥当と想定される解」を導くことが求められる問いです。そして、与えられる問題文は、以下の解説で示すように、とても端的である場合が少なくありません。そのため、解を導く上で必要な「情報・ファクト」や「問いの前提条件」については、「妥当」と思われる内容を、自力で「仮定」する必要があります。以上の特性から、ケース問題は「高い論理思考力が求められる」と言われており、経営コンサルティングファームの面接試験で、よく利用されています。

まずは「ケース問題」であなたの論理思考力をチェック

本記事(第1回)では、ケース問題の中でも、比較的簡単な「フェルミ推定」という問いを解いてみましょう。

(注:「フェルミ推定」とは、「ケース問題」と同様、論理思考力を測るための問いとして、よく利用されている問いです。そのため、本記事では、ケース問題の一種として取り扱います)

問い:日本国内に存在する、携帯電話・スマートフォンの台数を推定してください(以下、携帯電話とスマートフォンを合わせて、”携帯電話”と略して表記します)

さて、まずは「ありがちな回答」を見てみましょう。

1.よく見られる「ありがちな回答」は?

少し論理思考の勉強をした経験のある方の場合、以下のように、ツリー構造で携帯電話の台数を因数分解する方が少なくありません。

「携帯電話の台数」=「人口」×「所有率」×「1人あたり所有数(プライベート所有数 + 会社支給数)」

このように、まずは問いを「構造的」に分解した上で、各項目の検討(数値の推計)を進めていく人が多いです。

しかし、上記の回答には、大きなミスがあります。さて、何をミスしているのか気がつけたでしょうか。

2.「最低限、実施すべき検討」は?

それでは、「何をミスしているのか」を示すために、まずは「最低限、実施すべき検討」を示しておきましょう。

そもそも、携帯電話は、「工場・倉庫」⇒「販売店」⇒「(ユーザーが)毎日利用中」⇒「(使わなくなって)家で保管中 or 下取り・リサイクル」などの、さまざまな場所に存在します。

しかし、先ほどの「ありがちな回答」では、「毎日利用中」の携帯電話しか、計算の対象になっていませんでした。

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