旧車市場に変化、定番ハコスカ/ケンメリから脱却 人気車種に変化、旧車アフターパーツ最前線
そんな同社で今イチ押しなのが、1983年にトヨタが発売したスポーツクーペ「カローラレビン/スプリンタートレノ」。AE86という型式名から「ハチロク」の愛称で呼ばれる兄弟車で、軽量な車体と1.6L・4気筒エンジンが生む俊敏な走りにより、当時の若者を中心に大ヒットしたモデルだ。イベントでは、同社のパーツを装着したデモカーやオリジナルの外装部品を展示し、その品質などをアピールした。
同社のオリジナル外装部品は、前述のとおり、レプリカだ。基本的には、中古車に装着されている純正部品を外して石膏で型取りするのだが、旧車の中古車ではひずみがある部品も多いため、型を修正したのちにデジタルスキャンをして金型を成形。手間と時間をかけることで純正品と同等か、それ以上の品質を確保している。
ちなみにハチロク用部品では、樹脂バンパーに細かく入る模様まで再現。ほかにもボンネットでは、一般的なスチール製のほかに、新たにアルミ製もリリースすることで、純正と同じフォルムながら車体の軽量化に貢献することで高い人気を得ているという。
まだ手の届く、ハチロクの需要が高い
従来、同社製品で需要が高かったのは、前述したハコスカやケンメリ向けパーツだった。ところが最近は、これら車種向け製品の需要は減り、ハチロク用部品の売上が伸びているそうだ。ハコスカやケンメリは、現在の国産旧車ブーム以前、十年以上前から人気が高かったモデルだ。なかでも各モデルに設定されたスポーツグレード「GT-R」仕様は、中古車価格もかなり高騰しており、5000万円を超える値段がつく車体もあるという。
また最近は、欧米など海外でも人気が高まり、流通台数も減少傾向になっており、多くの一般ユーザーには手が届かないクルマになってきた。「高くて少ない」車種から、比較的手が出せるクルマとして人気が急上昇してきたモデルのひとつがハチロクだ。トヨタでも「GRヘリテージパーツ」というサービスで、ハチロク用純正部品を再販しているが、ボンネットなど、ほとんどの外装部品については今のところ再販していない(2022年3月19日現在)。
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