旧車市場に変化、定番ハコスカ/ケンメリから脱却 人気車種に変化、旧車アフターパーツ最前線
マツダでも、1985年発売の2代目FC型と3代目FD型については、復刻パーツを再販しているが、初代モデルについては対象外。フジツボでは、そんな初代RX-7向け製品を同社の最新技術を盛り込んで新たに開発、市場の反響を探るべく、装着したデモカーと共に当展示会に出品した。
「レガリスR」という同社スポーツマフラーのブランド名を冠した製品は、価格(税込み)が15万4000円。同社の担当者によれば、「比較的高い製品なのですが、(初期型RX-7を所有する)多くのオーナー様にブースを訪れていただき、ありがたいといった趣旨の声をもらっています」という。
こうしたエピソードは、純正部品がすでに生産終了となり、メーカーが実施する復刻部品サービスも非対応である初期型オーナーにとっては、ある程度高価な社外マフラーでも貴重であることを意味する。とくにマフラーは、愛車をきちんと「現役」で走らせたり、車検に通したりするためには必要不可欠な部品のひとつだ。国産旧車ブームの影には、こうしたメーカー側から「見捨てられた」ともいえる車種はまだまだあるという一例だ。
欧州のように国内でも旧車を大切に乗る文化が広がる
フォルクスワーゲンやメルセデス・ベンツなどの欧州車では、古いモデルでも比較的メーカーから純正部品が出るモデルも多いという。また、多くのサードパーティからの供給もあるため、レストアしやすい。一方、国産旧車については、メーカーも人気車種に限定して部品の再販などを行うが、まだまだ純正部品が手に入らない車種のほうが多い。ここで紹介したようなアフターパーツを供給する企業の数がもっと増え、対応車種なども拡充してくれば、そうした国産旧車の状況も変わってくるだろう。
そして、それは国産旧車ブームにより、古いクルマがビジネスとして成り立つ今がまさに好機だ。現在のカーボンニュートラル実現に向けた「電動化」の波により、新型車については、将来的にEVを中心としたラインナップが構築されつつあり、クルマの性質自体が変わろうとしている。だが、古いクルマをレストアなどで維持することも、「リサイクル」という意味でエコロジーな行動であることに間違いない。国産旧車というブームの行く末も含め、今後の動向を注視したい。
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