日産「フェアレディZ」が50年以上愛される理由 初代から新型まで、歴代モデルに見る変遷記

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Z32型フェアレディZのリヤビュー(筆者撮影)
Z32型フェアレディZのリヤビュー(筆者撮影)

VG30DETT型は、日本車のエンジンではじめて最高出力280psを発揮したことで知られる日産の名機だ。その後、日産は2.6L・直列6気筒ツインターボのRB26DETT型エンジンを搭載した「R32型スカイラインGT-R(1989年発売)」、トヨタでもスープラに2.5L・直列6気筒ツインターボの1JZ-GTE型エンジン仕様車を出すなど、当時の馬力自主規制値280psを発揮するモデルが次々と登場する。Z32型は、それら高性能な国産スポーツカーの先駆けとなったモデルだといえる。

バブル経済の崩壊後も約11年間という長い間、モデルチェンジをせずに販売され続けたZ32型だが、2000年に生産が終了。約30年続いたフェアレディZの歴史は、ここでいったん幕を下ろすこととなる。

5代目Z33型フェアレディZ

5台目にあたるZ33型フェアレディZ(筆者撮影)
5代目にあたるZ33型フェアレディZ(筆者撮影)

先代のZ32型が生産終了となった約2年後、2002年に5代目として登場したのがZ33型だ。空力性能を追求したボディには、流麗なファストバック(車体後部にもドアを持つ3ドア車)タイプを採用したほか、オープンモデルの「ロードスター」も設定。フェアレディZのオープンカーは、それまでTバールーフが伝統だったが、このモデルではルーフがないコンバーチブルタイプを採用したことも特徴だ。

Z33型フェアレディZのリヤビュー(筆者撮影)
Z33型フェアレディZのリヤビュー(筆者撮影)

エンジンには、排気量3.5L・V型6気筒のVQ35DE型などを搭載。北米などの海外仕様では、この排気量が由来の「350Z」という車名で販売されていた。なお、今回の展示車両は2005年式で、初代30型の登場から35周年を記念して発売された「35thアニバーサリー」モデル。Z33型のトップグレード「バージョンST」の6速MT車をベースに、エンジンやサスペンションなどをチューニングした特別仕様車だ。

6代目Z34型フェアレディZ

6代目にあたるZ34型フェアレディZ(筆者撮影)
6代目にあたるZ34型フェアレディZ(筆者撮影)

2008年に登場した6代目のZ34型は、フェアレディZの歴史上で最も長く販売されているモデルだ。後述する2022年6月末頃に発売予定の新型も、型式名はZ34型であり、ビッグマイナーチェンジとなる。つまり、Z34型の販売は、15年目に突入することになる。

モデルチェンジ前のZ34型では、初代S30型へ原点回帰したロングノーズ・ショートデッキのスタイルを採用。エンジンには、先代モデルから排気量を拡大した3.7LのV型6気筒のVQ37VHRを搭載し、最高出力は366psを発揮する。北米など海外では、先代と同様に排気量を由来とするネーミングを採用し、「370Z」として販売された。

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