微妙に上から目線の若手に上の世代が向かうコツ 上下関係が崩れゆく職場における新ジョーシキ

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「うちの部署、在宅勤務は無理だよな!とか勝手に決めつけるの、やめてほしい」

「対面でしかコミュニケーションをとれない時代遅れの人には早々に退散してほしい」

テレワークに消極的なオトナ世代に対する今どきの若手社員の言動は辛辣です。バランスをとって出社するという上司のスタンスには納得がいきません。

「このご時世でいえば、むしろ部下の安全と健康を考えるべき。できるだけテレワークをできるようにするのが管理職のはず。周囲に忖度して出社って、本末転倒じゃないですかね」。こんな言動も飛び出します。

リモートで働くこと自体に不慣れな昭和世代。自分の権利とばかりにテレワークをしたがる若者。その間で、自分もテレワークしたいけど、テレワークに関する職場の不公平感に配慮して、仕方なく出社しているミドルマネジメント。

こんなふうにテレワークの利用については、世代間による温度差がかなり見受けられます。コロナ禍は図らずも、新しい世代間ギャップを生み出してしまいました。そしてそのギャップは、板挟みになりがちな中間層のストレスを増幅させることになりました。

我慢を強いられる令和のオトナ世代

実は、「今どきの若いやつは……」というオトナの嘆きは、今に始まったことではありません。なんと最古の例は約5000年前の古代エジプトにまで遡ると言われます。遺跡の壁画に、象形文字で「最近の若者はけしからん。俺が若い頃は…」と彫られていたらしいのです。なんと、古代エジプトのオトナもイララモヤモヤしていたんですね。

つまり、古今東西いつの時代にも、こういう議論が交わされていたわけです。オトナ世代が若手社員に感じるストレスは、極めて普遍的な問題であるといえます。

しかしながら、令和の職場を生きるオトナ世代が感じる「今どきの若いやつは……」というストレスは、先人たちのそれとは明らかに一線を画すレベルなんじゃないかと思うのです。それは、この時代、イライラモヤモヤを吐き出すことが、なかなか難しいからです。その昔、理不尽な発言がある程度まかり通っていた時代であれば、ストレスを感じたとしても、もっと発散しやすかったはずです。

しかし、このご時世、ものすごく気を遣って発言していても、いつ自分が「パワハラ」の当事者になるか分かりません。負のエネルギーを放出できない……。ここまで我慢を強いられているのは、令和のオトナ世代だけなんじゃないでしょうか。

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