微妙に上から目線の若手に上の世代が向かうコツ 上下関係が崩れゆく職場における新ジョーシキ

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世の中間管理職は大変です。

若者に対しては立派に振る舞いたいけど、組織の中での立場もあるからこそ、板挟みになることも往々にしてあります。「在宅」「出社」、「上座」「下座」といった問題などは、自分の上司と若手社員の間で、気を遣わざるをえない代表的な例といえるでしょう。

そんな状況下で、少しでも若手社員にイライラモヤモヤしなくてすむには……。その第一歩は、若者の脳内を知ることでしょう。彼らの言動の背景にある価値観が分かる、ほんの少しでも共感できる。これだけで意外とスッキリすることもあります。

「先輩と後輩」でも「師匠と弟子」でもない

では、若者にとって理想的な上司と部下の関係とはどういうものでしょうか。それは、人生の先輩と後輩でもなければ、ましてや師匠と弟子でもありません。彼らが望んでいるのは、ずばり「仲間」です。

だから仕事の仕方も、上司や先輩の指示で盲目的に動くのではなく、いろんな人と協力しながら進める「プロジェクト型」を志向します。上司であっても、お互いに協力し合える仲間として接してほしいと願っているわけです。

「どうしていいかわからないでいる部下に対して、『自分で考えろ』とか『いちいち聞くな』とか言う上司って、ありえなくないですか」。

取材した入社3年目の藤嶋くん(仮名/24歳/IT)はこう言い切ります。仲間なんだから、どちらかが威張るのは変だし、困っている相手を助けようとしないのもおかしい。そんな上司は仲間として不適格。若者はそう判断します。

『イライラ・モヤモヤする 今どきの若手社員のトリセツ 』(PHPビジネス新書)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

世界での累計発行部数が5億万部に届きそうな『ONE PIECE』は、「現代版聖書」といわれるくらい若者への影響力を持つコンテンツ。物語を貫くキーワードは「仲間」です。強烈な仲間意識を打ち出すリーダーの主人公ルフィは、確かに部下を第一に考えるサーバントリーダーシップの理想形といえます。

「いきなりルフィとか言われても……」。

そんな反応をされる方も多いのではとも思いますが、上下関係のベースは、やはりある程度見直したほうがよさそうです。一方で「目上の人への礼儀」まで、ないがしろにする必要はありません。礼儀や敬意に関しては、やはり大切にされて然るべき。ただし、形式だけを大事にしても全く響きません。本質的な意味合いについては、しっかり語っていく必要があるのでしょう。

平賀 充記 ツナグ働き方研究所 所長

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ひらが あつのり / Atsunori Hiraga

人材開発コンサルタント/組織コミュニケーション研究家/若者キャリア研究家。1963年長崎県生まれ。同志社大学卒業。1988年リクルートフロムエー(現リクルートジョブズ)に入社。主要求人媒体の全国統括編集長を経て、2012年リクルートジョブズのメディアプロデュース統括部門担当執行役員に就任。2014年ツナグ・ソリューションズ取締役。2015年ツナグ働き方研究所を設立、所長に就任。著書に『非正規って言うな!』(クロスメディア・マーケティング)『神採用メソッド』(かんき出版)『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』(アスコム)がある。
ツナグ働き方研究所オフィシャルサイト「ツナケン!」:https://tsuna-ken.com/

 

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