日本人がプーチンに抱いていた6つの大きな誤解 今起こっていることとも見事に結びついてしまう

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プーチンは中国の頼みごとに無条件で応じており、中露の親密な軍事同盟、経済同盟はすでにできあがっている。注目すべきは、プーチンの価値観が中国共産党のそれと似ており、欧米の価値観とは決して相いれない点だ。むしろアメリカへの憎しみが、中露を地政学的な同盟国にしている。アメリカと対立するうえで中国の支援は必要なので、プーチンは中国に頭が上がらないのである。

③ プーチンは保守主義者?
プーチンは自国民を大量に殺すことによって権力を握った。プーチンの都合によって一般人や反体制派の政治家やジャーナリストはいつでも殺される。プーチンはロシアにおいて独裁的な恐怖体制を築き上げ、テレビ・プロパガンダによってロシア人の脳をコントロールしている。また、プーチンは全く不要な戦争を四回も起こして自他の国民を何万人も殺し、対米、対西洋の憎しみを煽動している。(179ページより)

こういった振る舞いが、安定的な発展を理想とする保守主義と関係あるはずがない。それどころかプーチン氏の内外政策は、共産圏独裁者の振る舞いそのものなのだ。

④プーチンはナショナリスト?
プーチンにとって、ロシア民族の運命は二の次の問題である。自分の利益のために、プーチンはロシア人が何人死んでも構わない。プーチンにとって重要なのは自らの権力と自分および側近の利益であり、ロシア民族の繁栄ではない。(180ページより)

プーチン体制と中国共産党は完全な互恵関係

本書でも克明に解説されているが、実際にプーチンはロシアの主権を次第に中国へ譲っており、中国によるロシア属国化を積極的に進めているようだ。中国のロシアに対する影響力が強くなればなるほど、プーチン体制の立場は盤石になるからである。

もちろん“ロシアの中国化”を積極的に推進するプーチンは、中国にとっても非常に都合のよいロシアの指導者だということになる。つまりプーチン体制と中国共産党は、完全な互恵関係にあるのだ。結果、将来的にロシア民族とロシア国家の存亡が危うくなったとしてもプーチンにとっては大きな問題にはならない。したがって、プーチンはナショナリストではないということになるのである。

⑤プーチンは国際金融資本と戦う勇者?

そもそも国際金融資本は、1つのまとまった意思のある主体ではなく、多くの資本家の寄せ集めだ。そして資本家にはそれぞれの利益があるのだから、すべての資本家に統一された意思などあるはずもない。そういう意味で、「プーチンは国家金融資本と戦っている勇者だ」という表現はおかしいのだと著者はいう。

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