「そんな大げさな」と思われるかもしれないが、読んでみた限り著者の視点は客観的であり、過度な偏りはなさそうだ。だからこそ、認めたくない現実を突きつけられてしまうことにもなるわけだが。
しかしそれは、こうなってしまったいまだからこそ、知っておかなければならないことでもある。
ところで、「日本人はプーチン氏について誤解している」と指摘する著者は、ここで6つの“誤解”を挙げている。それぞれを確認してみよう。
「プーチンは日本の柔道を習っており、それを通して日本の伝統文化に理解を持っている。日本の明治維新に憧れてロシアの近代化を目指してもいるので、日本と友好な関係を築きたいに違いない」というような考え方(イメージ)に対して、著者は「プーチンはまったく親日ではない」と断言している。
ソ連の非をいっさい認めない
もちろん北方領土を日本に返す気もさらさらなく、それどころか北方領土を交渉材料として利用することにより、日本から利益を引き出すことをたくらんでいるのだという。したがって、日本をだまして金や技術を引き出すことを「親日」と呼ぶのは「お花畑」思考でしかないというわけだ。
反中どころか、プーチンはロシアの歴史上、最も親中の指導者。しかもプーチンの支配体制が続くなか、ロシアの対中依存度は高まる一方だという。
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