日本人がプーチンに抱いていた6つの大きな誤解 今起こっていることとも見事に結びついてしまう

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「そんな大げさな」と思われるかもしれないが、読んでみた限り著者の視点は客観的であり、過度な偏りはなさそうだ。だからこそ、認めたくない現実を突きつけられてしまうことにもなるわけだが。

しかしそれは、こうなってしまったいまだからこそ、知っておかなければならないことでもある。

ところで、「日本人はプーチン氏について誤解している」と指摘する著者は、ここで6つの“誤解”を挙げている。それぞれを確認してみよう。

① プーチンは親日?

「プーチンは日本の柔道を習っており、それを通して日本の伝統文化に理解を持っている。日本の明治維新に憧れてロシアの近代化を目指してもいるので、日本と友好な関係を築きたいに違いない」というような考え方(イメージ)に対して、著者は「プーチンはまったく親日ではない」と断言している。

ソ連の非をいっさい認めない

プーチンはソ連時代の歴史認識を持っており、第二次世界大戦に勝ったソ連の認識において、日本は恒久的な敗戦国である。プーチン自身が言っているように、ソ連崩壊は彼らロシア人にとって最大の悲劇である。したがって、ソ連の復活は政治指導者としての最大目的の一つである。第二次世界大戦における勝利がプーチンにとって正当性の源である以上、彼はソ連に少しでも非があったことを認めることができない。したがって、ソ連が日本に対して犯したすべての蛮行はプーチンの認識では「正当」となる。(177〜178ページより)

もちろん北方領土を日本に返す気もさらさらなく、それどころか北方領土を交渉材料として利用することにより、日本から利益を引き出すことをたくらんでいるのだという。したがって、日本をだまして金や技術を引き出すことを「親日」と呼ぶのは「お花畑」思考でしかないというわけだ。

② プーチンは反中?

反中どころか、プーチンはロシアの歴史上、最も親中の指導者。しかもプーチンの支配体制が続くなか、ロシアの対中依存度は高まる一方だという。

プーチンは自分の手でロシアを中国の勢力圏、つまり中華秩序の一員にしたといってよい。ロシア経済を中国に向かわせ、中国のロシア進出を容認したのもプーチンである。プーチンの政策の結果、膨大な数の中国人がロシアに移住し、中国企業はロシアの土地を大量に租借している。プーチンが完全に支配しているロシアのテレビでは中国がつねにべた褒めされ、親プーチンの言論人は中国の凄さと中露友好はいかに盤石かという点をつねに強調している。(178ページより)
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