ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始してから17日で3週間が経った。国連やウクライナ当局によると、既に何千人もの民間人が犠牲となり、300万人以上が国外に退避した。その一方、ロシア各地で反戦デモが起きている。
筆者はロシアの若い世代の2人に、今回のウクライナ戦争に対する見方やロシア国内の世論の動向をリモートで取材した。
取材は英語で行ったが、2人とも、ロシア当局が「虚偽」とみなす情報を発信した者に最大で15年の禁錮や懲役を科す法律を制定したため、取材当初は「War」(戦争)や「Military actions」(軍事行動)という言葉を使わず、慎重を期して「Conflict」 (紛争)との言葉を使用していた。
しかし、この情勢下、ご本人たちへの影響を鑑みて「インタビューは匿名とする」との条件を示すと、「戦争」や「軍事行動」が使えるようになった。こうしたやり取り1つとっても、プーチン体制の言論統制の厳しさを浮き彫りにしていた。2人へのインタビューを順に紹介したい。
モスクワで働くロシア人女性(31)
――ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続いています。どのように見ていますか。
私には今、起きていることはすべて外交の失敗のようにしか見えません。私は欧州をはじめとする西側のすべてのリーダーがこのような状況を予想していたと思います。しかし、彼らは何もできなかった。今回の紛争にそもそも興味を持っていた国々があったと思わざるを得ません。
――他のロシアの人々はどのように見ていると思いますか。
私が知る限り、社会はかなり分裂しています。特にモスクワがそうですが、大都市に住む大半の若者は、いかなる軍事行動も支持していません。
その一方、40歳以上の人々の中には、「NATO(北大西洋条約機構)の潜在的な脅威」から国を守るためにロシア政府が正しいことをしていると信じる人も少なくないと感じます。また、このような人々の多くは、今回の作戦が防御のための作戦だと思っています。彼らは実際のところ、ウクライナで亡くなっている民間人について多くの情報を得られていません。
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