「新型ではリアモーターとコントロールユニットを一体化して省スペース化し、さらに高周波音の発生源をキャビンから遠ざけるよう配置したのですが、実車ではノイズが若干入り込んでいるようです。音の感じ方は人それぞれと言われますが、すでにわれわれも認識しているので対応を検討します」。これはアウトランダーPHEVの開発を担当した平山敦朗氏(三菱自動車・商品開発本部商品評価プロダクト評価マネージャー)の言葉だ。
ただし、一方的な指摘は失礼になる。現実を直視すれば、リアモーターの省スペース化により3列シート仕様のPHEVと、シート格納によるフラットなラゲッジルームという従来型PHEVでは成しえなかったことが両立しているわけで、じつに悩ましい部分でもある。
存在感は1クラス上のSUVと遜色なし
試乗後、ぐるりと実車を確認する。やはり大きい! 視界が広くて死角が少なく、そして左右の見切りが良かったこともあり、運転していると感じなかったが存在感は1クラス上のSUVと遜色ない。わかりやすく立派に見える。
こうした存在感は、「ダイナミックシールド」と名付けられたフロントデザインとワイド化された車幅(1800mm→1860mm)や、高められた全高(1710mm→1745mm)によるものだ。全長は+15mmの4710mmだから長くなった印象はないが、全体にふっくらしたイメージだ。
現行デリカD:5のマイナーチェンジ以降、このダイナミックシールドが定着しつつある三菱各モデルだが、アウトドアフィールドをイメージさせるとしてユーザーからは支持されている。
乗り込んでみると外観のワイルドさから一転し、開放感とともに一気に上質な印象に様変わりする。居心地のよい、親しみやすいデザインだ。
水平基調の中に、なだらかな弧を描いたインパネダッシュにはじまり、「ブラック&サドル タン」の内装色ではオレンジ色がかったタンカラーとの2トーンになり、一層所有欲が満たされる。オフホワイトに見える「ライトグレー」のレザーインテリアも似合う。個人的にはこの内装デザインこそ、新型アウトランダーPHEVの大きな魅力のひとつだと考える。
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