あのHuluが若手クリエーター発掘に力を注ぐ背景 オリジナルコンテンツを拡充させたい目論みも
そんな中、2020年からHuluが同映画祭をサポート。映画祭期間中はHuluのフォーマットを使って、オンライン映画祭を実施することとなった。これによって、これまで同映画祭に足を運んだことがない映画ファンにも、その名前を広く知らしめることとなった。
「やはり歴史のある映画祭なんで、当社としてもバックアップしましょうということになった。せっかくのご縁ですから1回、2回で終わらせるつもりはない。当社としても新しいことを仕掛けてみたいと思っていた時でしたし、新しいオンライン映画祭とはどんなものなのかやってみたかった。本当にいいタイミングで出会うことができた」(於保社長)
そしてもうひとつ。新人クリエーターの発掘・育成のために、Huluが新たに手がけるプロジェクトが「Hulu U35クリエイターズ・チャレンジ」(以下「HU35」)だ。応募資格は35歳以下であることで、プロアマ問わず参加することが可能だ。2021年5月に応募が締め切られたが、849の企画が集まった。その中から3度の選考を経て選ばれた5名が、プロの映画制作チームのサポートを受け、実際に自分が企画し、脚本を書いた映像作品の監督にチャレンジした。
Huluの10周年企画として立ち上がる
完成した5作品は、ファイナリストたちの制作過程に密着したドキュメンタリーとともにHuluで配信。沖田修一監督、女優の橋本愛、劇作家・小説家の本谷有希子、芸人・脚本家のじろう(シソンヌ)らからなる審査員による最終審査によって、3月22日にグランプリ作品が決定となる。また、視聴者の投票(3月18日まで)によるオーディエンスアワードも選出される予定となっている。
「HU35」は、2011年に日本でのサービスを開始したHuluの10周年企画として、東京テアトルの協力を得て立ち上がった。本プロジェクトを手がけるHJホールディングス・コンテンツ制作部の中村好佑プロデューサーは「この5年くらいで、テレビ、映画、配信の立ち位置の垣根がなくなってきているように感じていた。今は携帯で作った映像をYouTubeで配信している若い世代が増えてきている。そうしたクリエーターと一緒に企画開発をして、新しい作品を作る土壌を作りたいなと思ったのが企画の発端だった」と振り返る。
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