そして、コロナ禍によって明らかになったもうひとつの婚姻減の要因もあります。
それは、さんざんやり玉にあげられた居酒屋など酒提供外食店の規制です。一時期、オンライン飲み会など話題になったことがありましたが、最近はさっぱり聞きません。当然です。オンラインで飲み会してもまったく楽しくないからです。
このリアル飲み会ができなくなったことは、婚姻減少に大きな影響を及ぼします。酒と結婚、一見無関係に思えますが、実際、家計調査に基づき、勤労者単身男性の外食費のうち飲酒外食費の推移と夫の初婚数との相関を見ると、「外での単身男性の飲酒消費金額が減れば減るほど初婚数も減る」という極めて強い正の相関がみられます(相関係数0.8744)。
外での飲酒が減ると初婚が減る!?
コロナ禍の2020年は外での飲酒費は前年から3分の1レベルまで大きく落ち込んでいますが、コロナが関係ない2002年から2019年の推移でも、単身男性の外での飲酒消費金額は半減近くになっており、それに従って初婚の数も減ったという見方もできます。
もちろん、外での飲酒機会がすべてデートということではありませんが、少なくとも単身男性の外での飲酒機会がこの20年間で大幅に減っていることは確かです。
何度もこの連載でお話していますが、恋愛強者の男性は3割しかいません。7割の恋愛に受け身な弱者男性が酒の力を借りて勢いをつけたいという気持ちもあるでしょう。
ドイツの哲学者カントの言葉に「酒は口を軽快にする。だが、酒はさらに心を打ち明けさせる。こうして酒は心の率直さを運ぶ物質である」というものがあります。しらふでは照れて言えないことも酔えば言えるというのもあります。
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