家族会議をするときに、守りたいルールを強いて言うなら、それは「怒らない」こと。これは当然のようだが、家族会議をしている途中で大人が怒ってしまって、会議が中断するというケースは意外と多い。
なぜかといえば、子どもはつまらないと感じたらふざける生き物だからだ。小学校低学年くらいなら、議題と関係ないことを言ったり、NGワードを連発したりもよくある(わが家がそうだった)。「まじめにやりなさい!」などと叱ったら最後、家族会議はつまらないと認識される。
また、家族会議をしていると、子どもとの発言が最初まどろこしくて、テーマと一見関係ないことを話しているように思える時がある、実は不思議なもので、3歳くらいの子でもちゃんとテーマに沿って話している。最初は関係のないことを話しているようでも、回り回って、テーマに結びついたその子なりの考えに行き着くことが多い。
いきなり家族会議を始めてぺらぺらと素晴らしい意見を発表できる子はなかなかいない。始めのうちは子どもから積極的な意見がでなくても、がっかりせず、その子が興味のもてそうな話題(テーマ)を振ってみる。少しずついろんな発言が出るようになれば、対話がたのしくなっていくはずだ。
「今、話していることと違うよね」と強制終了させたり「つまり、こういうことでしょ」と大人が代弁すると、子どもは自分の言葉で語ることをあきらめてしまう。
「へぇ、そうなの。それでそれで?」と親が心から興味を持って(あるいは興味深そうに)聞いていると、どんどん自分の気持ちや考えを出してくれるようになる。これを繰り返していると「どんな意見でも、親はちゃんと聞いてくれる」という認識が生まれ、子どもは自分の意見を伝えるようになるし、同時に、相手の意見を尊重して聞くという大切さを肌で感じてくれるはずだ。
夫婦の対話も風通しがよくなる
これは夫婦であっても同じこと。家族といえど相手は他人。感情も意見も違うと割り切って、冷静に、興味を持って『聞く』に徹することで、大人も子どももどんなことでも話し合える。自分とは違う人間として、尊重できるようになる。
忙しい日常会話では、けんかもあるだろう。だが、家族会議をしているときは、どんなことでも冷静に話し合える、そういう場を作ることがまずは大切。その繰り返しがやがて、子どもたちが学校や社会など、家庭以外の場所でも自分の考えや意見を発言できる能力を身に付け、同時に相手の意見を冷静に聞きだし、共感する能力を得ることになる。
非認知能力が必要と言われるこの時代、手軽に始められて、家族仲が良くなり、子どもの将来の生きる力にも繋がる家族会議。ぜひ、一度、家族で、始めてみてほしい。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら