では、核兵器の問題についてはどうなるのだろう? プーチン政権は核ミサイル爆撃の可能性をちらつかせたりもしているが、はたしてロシアが本当に核を持ち出す可能性はあるのだろうか?
この点に関して気になるのは、「エスカレーション抑止」「エスカレーション抑止のためのエスカレーション」と呼ばれる核戦略だ。それは限定的に核を使用することで敵に「加減された損害」を与え、戦闘の継続によるデメリットがメリットを上回ると認識させる。そうやって戦闘の停止を強要したり、域外国の参戦を思いとどまらせようとしたりするものだという。
ここではその実態を解説するべく、「スタビリノスチ2009」演習に際して軍事評論家のゴリツが『自由ヨーロッパ・ラジオ(RFE)』ロシア語版のインタビューに答えた内容が引用されている。
著者によれば、民間の(しかも多分に反体制的な)軍事評論家であるゴリツが語るエスカレーション抑止のあり方は、ロシア軍内部における議論の動向とよく合致しているそうなのだ。
その後はこの世の終わり
「その後はこの世の終わり」などとのんきなことを口にしてほしくないが、いまプーチン氏の頭のなかにあるのは、これに近い考えなのだろうか? ロシアが本当にこうした核戦略を採用しているのかどうかは、いま一つはっきりしないというが、なんとも気になるところではある。
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