開校して2年、「マルボロ・カレッジ」は今 人気高まるジョホールバルの教育事情

✎ 1〜 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

――ほかの学校はどうでしょうか。

英語が出来なくても、ある程度受け入れてくれる学校に日本人が集中する傾向にあります。ラッフルズアメリカンスクールという米国式の学校では現在生徒の25%が日本人です。シンガポール式を取り入れたエクセルシオールインターナショナルスクールでも約2割が日本人と、やはり多いです。一方で、昔からのマレーシア系のインターナショナルスクールは英語の試験が難しいため、日本人はあまりいないようです。また現地式インターは勉強も厳しく、詰め込み式で体罰もあったりしますから、敬遠する人が多いのかも知れません。

――マレーシアや学校が合わずに辞めて行く人もいるのでしょうか。

マルボロの食堂。ときには校長が一緒に食事を取ることもあるという

不満を持って辞める人もいます。たとえば、ジョホールバルのインターナショナルスクールには新設校が多く、方針がころころ変わったり、運営がしっかりしていないところもあるんです。そういうところに不満を持たれる方は少なくないようです。中にはマルボロが不満で辞めて行く人もいますよ。それから、マレーシアから半年くらいして他の国、たとえばカナダや米国に移っていく人もいます。なかには思っていたイメージと違うと言って帰って行く人もいます。

――日本のマスコミもたくさん来たのですよね。

昨年は取材が多く、10社ほど来ましたが、現在はだいぶ落ち着いてきました。

開発途上の街、物価の上昇も

――ジョホールバルでの2年間で、何か変化はありましたか。

日本人に限らず、外国人がとても増えました。土日はシンガポール人が来て大渋滞します。それから開発中のヌサジャヤ地区にもお店が増え、ネイル、マッサージ、日本食レストランやバーなどが増えてきましたね。ただし、人が増えるにつれて物価も上がりました。

――物価が上がっているのですか。

モレック地区に建設中のモレックパイン。日本人向けの施設を揃える

物価の上昇はすごいです。学費も値上がりが続いています。マルボロカレッジでも、毎年6%学費が上がっていますね。現在ではカナダのほうが学費が安いところもあるそうで、移って行かれる方もいます。

マレーシアのインターナショナルスクールの学費は、学校によって本当にさまざまで、マルボロやラッフルズは、正直安いわけではないので、円安になり厳しいですね。また、私自身、1年間、タクシーに乗る生活をしましたが、ジョホールバルは、公共機関が発達していないうえに、かなり広く、子どもの習い事の送り迎えや、週末の買い物でかなり大変だったので、車を購入しました。車を持たずにこちらにいらっしゃる方の多くが、2、3カ月程で車のない生活の不便さに耐えられなくなり、中古車などを買っているようです。

――現在、花岡さんご自身が注目している新設校はありますか。

シンガポールのダリッジ・カレッジはこちらでも話題になっており、移った方もいます。また、ジョホールバルではないですが、クアラルンプール郊外に出来たエプソムカレッジには注目しています。

野本 響子 ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

のもと きょうこ / Kyoko Nomoto

東京都立青山高校、早稲田大学法学部卒業。安田火災海上保険(現損保ジャパン)を経てアスキー入社。『MAC POWER』(アスキー)、『ASAHIパソコン』『アサヒカメラ』(朝日新聞出版)の編集者を経て現在フリー。『僕がアップルで学んだこと』『企業が『帝国化』する』(ともに松井博著/アスキー新書)編集。著書に『いいね!フェイスブック』(朝日新聞出版)、『マレーシアの学校の○と× アジア子連れ教育移住の第一歩』(Kindle)ほか。1990年代半ば、仲良くなったマレーシア人家族との出会いをきっかけに、マレーシアの子育てに興味を持ち、現在クアラルンプール郊外に長期滞在中。趣味はオーケストラでの楽器演奏。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事