「消えたい」「いなくなりたい」と思いつめた
投資家で経営者の角野治郎さん(仮名・45歳)は、去年の9月と10月にファイザー製のコロナワクチンを2回接種した。一方、今年1月末にオミクロン株に感染・発症し、1カ月半近くたった今も、後遺症に苦しめられている。
「ワクチンの副反応は軽かったですが、それでも発熱や腕の痛みなどを我慢して接種して。それで今回のようにコロナ感染し、後遺症にまでなってしまうのですから……。
まず、頭がボーッとして働かないんです。5年間使用していて、手が勝手に動くような、身体に染みついていたはずのデスクトップのログイン用パスワードが、最近3回ほど思い出せなくなって。何度も何度も間違えてやっと思い出したんですけど、過去の自分では絶対ありえないことです」
さらに、体調面でも絶不調が続く。
「劇的に疲れやすくなった。今までは半日以上パソコン仕事をしていても全然余裕だったのに現在は1時間もパソコンに向かうと完全に疲れてしまい、12時間寝込んでしまったこともあります。1日にオンラインのミーティングを1~2回するだけで、もうダウン。困るので、1時間おきに目覚ましをセットして鳴らしている状況です」
体調とは相反して、気持ちだけが焦る。仕事は遅れ、予定していたプロジェクトは一向に進まない。しかし、ちょっと動くだけでも息苦しく、今でも深く息を吸うと肺の周りが痛む。全身が重だるく、身体が思うように動かない。下痢が続いたせいか、感染してから約1カ月で体重は5キロもやせた。
体調を優先し、1日中ベッドに寝ていると、今度は寝すぎてしまい夜に眠れなくなる。ベッドの上ではスマホをいじる時間が増え、友人知人のSNSを見ることも多くなった。そしてどんどん落ち込んでいく自分がいた。
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