「ワクチン2回後に感染」後遺症残る45歳彼の疾苦 5年使用のパスワードも忘れ、体が疲れて動かない

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角野さんは「でも、今回のような取材に対応できるようになったのは、自分が回復してきた証拠だと思うので、焦らずいきます」とも話してくれた。

ワクチンを2回接種していてもオミクロン株に感染・発症した人は少なくない。そのことでワクチン論争になるのも不毛だし、そもそもワクチンは感染や発症を100%防げるものでもない。

「感染しやすい状況」にわざわざ足を突っ込んだ

そして感染した人の症状はマチマチだ。中には発熱や咳などのごくごく軽めの症状だけで済み、後遺症もまるでない人もいれば、「人生でいちばんつらい経験だった」と振り返る人、角野さんのようにワクチンを打っても感染・発症したうえで後遺症のほうが逆に苦しいという人などもいる。

コロナに限らない話だが、何かの病気にかかれば、その人自身の体力、体調、体質、基礎疾患などの要因も重なって、それなりの後遺症が残る人は一定数いる。オミクロン株特有のことともいえないだろう。

一方、今年1月末といえば全国で急激に感染が広がって、毎日7万~10万人の新規陽性者が確認されていた頃だ。日本中の多くの職場では会食の禁止や自粛の方針が出されていた。いくら人数制限や一定の感染対策がなされていたとしても、ビュッフェスタイルの食事とお酒が出る場面。そこに自ら出向いたことは、これまで一般的によく言われてきた「感染しやすい状況」にわざわざ足を突っ込んだことになる。

会社経営者としてリスクをどう考えたか、またそもそも交流会の主催者もそのまま決行してよかったのか。もちろん感染自体はしょうがないことだし、誰しもどれだけ気を付けたところで100%避けられる話でもない。

ただし、もしも原因と疑われる交流会に参加していなかったら、当事者がつらく苦しい思いをしていなかったかもしれないということは言える。「交流会を開いた/参加した⇒その結果、自分や参加者の感染を招いてしまったかも」という後悔にも似た思いは残るだろう。

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主催者も、角野さんをはじめ交流会に参加した後に感染した参加者も、「自分だけは大丈夫」という思いがあったかはわからない。もしもそういう考えが仮にあったとしたら、これまではロシアンルーレットに運よく外れていただけ。客観的にはそう見える。

斉藤 カオリ ジャーナリスト

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さいとう かおり / Kaori Saito

ジャーナリスト・魅力覚醒コーチ。見過ごされがちな当事者の声を拾い上げ、社会に伝えてきた。現場取材を軸に記事を執筆する一方「カオリ版魅力覚醒講座」などを主宰し、延べ1000名以上に「言葉を通じて自分を理解し、力を発揮する方法」を伝えている。著書に『未経験から始める しっかり稼げる おうちライターの教科書』。言葉を媒介に、人と社会を結び直す活動を続けている。公式サイト

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