元日本代表40歳「現役続行する男」が挫けない理由 山瀬功治は自分自身で限界を決めない

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でも、そこであきらめたり、腐って歩みを止めることだけは絶対にしなかった。何かできることはないかと思考し続け、雨の日も嵐の日も目の前の課題に取り組んだ。日々のトレーニングはもちろんのこと、ピッチ外でのメンテナンスや生活習慣でも手を抜いた覚えは一切ない。

睡眠時にかかる体への負担を減らすため、17時半に夕食を摂り、22時過ぎには就寝する。

ほかにも、アロマ精油をブレンドしたオイルをマッサージに使用したり、神経伝達を早めるのに役立つような食材を食べたりと、少しでもパフォーマンスの上がりそうなものを積極的に取り入れた。

言うなれば少しの油断が命取りになるような、か細い道を歩んでいる感覚だ。でもそのおかげで、ここまでこだわって初めて「出しきった」と言えるのだとあらためて学べた。その結果、状況を好転させることができた。

實好礼忠監督をはじめとするスタッフに認めてもらい、今の自分にできる精いっぱいを表現したつもりだ。だからJ3降格という結果も、契約満了という事実も、真正面からしっかりと受け止められる。

ピッチに立てば年齢やプロキャリアは関係ない。ひとりのプロサッカー選手としてパフォーマンスを評価され、明日以降の道筋になっていく。それを実感できたという意味で、2021年から得るものはたくさんあった。

自分はプロサッカー選手である限り、高みを目指す。向上心を絶やすことなく、前だけを見続ける。その気持ちがなくなったときは、潔く現役を退くだろう。

愛媛FCで過ごした時間が教えてくれたモノ

四国へ移り住んで3年が経った。2019年、所属チームがなかなか見つからずに先が見えない状態だった自分を拾ってくれたのは愛媛FCだった。30代後半になってもプレーする場を与えてくれたクラブには感謝してもしきれない。

すでに始動していたチームに合流したのは2月6日のこと。新人のような新鮮な気持ちで練習に臨み、チームメイトとともに汗を流す。何気ないパス交換ひとつが楽しくてたまらない。プロサッカー選手として戦い続けられる喜びをあらためて実感できる瞬間でもあった。

ただしJ2の地方クラブの多くは財政面に恵まれているわけではないので、J1やJ2上位との格差は大きい。

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