元日本代表40歳「現役続行する男」が挫けない理由 山瀬功治は自分自身で限界を決めない

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愛媛FCに所属時代の山瀬功治選手(写真:アフロ)
J2レノファ山口に所属する元日本代表の山瀬功治選手は、デビュー以来、J リーグ23年連続ゴールを継続し、40歳になった今もピッチで躍動する。両膝の前十字靭帯断裂、4度の契約満了など、数々の困難に直面してきた経験をつづった著書『ゴールへの道は自分自身で切り拓くものだ』より一部抜粋・再構成してお届けする。

J3降格と4度目の契約満了

2021シーズン最終戦を終えた翌日の12月6日、愛媛FCから今季限りでの契約満了を言い渡された。

愛媛に加入する以前からそういった危機感と隣り合わせで生きてきたし、いろいろな経験をしてきたのでさすがにもう驚かない。だからクラブの決定を冷静に受け止め、すぐさま次を考え始めた。

僕はこれまで契約満了になった経験が3度ある。2010年の横浜F・マリノス、2016年の京都サンガF.C.、そして2018年のアビスパ福岡だ。

それぞれのクラブで抱えている事情は異なり、抗えない理由があることも痛いほどわかっている。ただ、プロサッカー選手として生きている以上、4度目となった今回も含めて「来年もチームに残そう。山瀬功治が必要だ」と思わせるくらいのパフォーマンスを示せなかったのはやはり悔しい。

何よりも愛媛をJ3に降格させてしまったという結果はすごく残念で、応援してくれている方々の期待に応えられなかった申しわけなさでいっぱいだ。

2002年にもコンサドーレ札幌の選手としてJ2降格を経験しているが、当時はシーズン途中の大怪我でピッチに立って力になれない歯がゆさがあった。

今回は状況が違って、シーズン終盤は先発起用される機会も多かった。自分が実際に何かできるシチュエーションにもかかわらず、降格を阻止できなかったのは力不足というほかない。

ただし、そのなかで個人的なことを言わせてもらうとしたら、1年を振り返ったときに今の自分にできることをやりきったという自負はある。

開幕戦こそ先発出場したが、その後はコンスタントに出場機会を得られなかった。コンディションに大きな問題があったわけではなく、自分の必要性をアピールできていなかったのだろう。

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