東大王が語る「美しすぎるノート」を作る納得理由 ペンの色分けが肝、授業を最大活用する勉強法

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自分にわかるなら、汚くてもOKでしょう。しかし私は、整った体裁のほうが、わかりやすいと思うのです。とくに、時間を置いてもう一度見直す場面では、きれいに書かれているほうがスムーズに頭に入ります。ですから、授業中は走り書きしたものも、のちに時間があるときに、ときどき読みやすく書き直していました。

ただし、「きれいに書くこと」はあくまで手段。本当の目的は常に「わかりやすさ」に置くことが大事です。

忙しい人こそ、ノートを丁寧に取ろう

私のノートは、情報量がかなり多いほうです。数学だけは、問題を解くことのほうが大事なのでノートの重要性は低めでしたが、他の科目では、板書から関連する情報まで盛り込んでいました。

言わば、「自分用の手づくり参考書」。ノートを取ることは「書く」というより「つくる」に近いものでした。作業量は多くなりますが、それを50分の授業時間内に済ませることを、基本ルールとしていました。

なぜそんなにハードなことをしていたのかというと、「ゆっくり勉強し直す時間がないくらい忙しかったから」です。バレエを始めとする習い事をしていたので、いろいろやりくりしても、放課後に時間をつくることはほとんど困難でした。

しかし、授業時間だけはどんなに忙しくても、50分を確保できます。ならば、その時間の密度を濃くするのが最も効率的。集中して授業を聞き、ノートを取り、考えついたことを書き留めておくと、後で読み返した際、授業を頭の中で再現できます。ノートひとつで、授業を何度でも「再生」できたら無敵ですよね。

この方法は、定期試験前のお得感が大きいです。授業中ボンヤリしていてノートも雑だと、試験直前になって初めて一から勉強することになり、かえって大変です。しかし、授業内である程度理解しておくと、試験勉強は軽い復習で済みます。

板書を写しながら先生の話も聞き、思いついたことも書き、さらにきれいにまとめるなんて「無理!」という声も聞こえてきそうですね。確かに、これが習慣となるまでは、大変だと思います。

しかし、たとえば学年の始まりや、新学期最初の授業では、前学期の復習などの軽い導入から入ることが多いですね。すでに習った内容だからこそ、ノートを工夫する余裕があるはずです。

このタイミングに、お伝えしたノートの取り方を試してみて体を慣らすと、「意外と実践できるかも」と実感できると思います。

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